ホームページを作っただけではアクセスや問い合わせは増えません。ホームページからの集客を増やすにはSEO対策が有効です。しかし、やみくもにSEO対策を始めても上手くはいきません。
士業のSEO対策では、いくつか抑えておきたい重要なポイントがあります。それらの要素を考慮して対策することで成功する確率が高まります。
それでは早速、士業のホームページでSEO対策をする重要なポイントについて見ていきましょう。
士業サイトのSEOについて
士業のサイトでSEO対策を行う際、目的は新規顧客の獲得になります。
SEO対策は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワード検索された際に、自身のサイトの検索順位を上位にするための対策です。
SEO対策のメリットとデメリット
SEO対策を行う前に、まずSEO対策を行うことで得られるメリットとデメリットを把握しておくことで、あなたのサイトが今SEO対策を必要としているのか否かを判断してから行いましょう。
SEO対策のメリット
- 見込み顧客の開拓に繋がり、売上の増加が期待できる
- アクセスの増加が見込め、認知拡大につながる
- 広告費をかけずに集客ができる
- 継続的な集客につながる
見込み顧客が検索しそうなキーワードで上位にサイトを上げることで、見込み顧客の目に触れ、問い合わせが増えることが期待できます。
また、SEO対策では広告費用をかけずに集客ができるため、コストパフォーマンスに優れています。自身で行うなら費用は0円で済みます。(ただし、SEO対策を外部業者に委託する場合は委託費がかかります。)
SEO対策費用を外部に払う場合でも、広告費と比べて比較的安価で済むケースが多いです。
また、検索順位が上がって上位で安定してくれば、アルゴリズムのコアアップデートなどの影響を受けない限り、継続した集客が見込めます。
SEO対策のデメリット
- 成果が出るまでに時間が掛かる場合がある
- アクセスが増えても顧客獲得に繋がらない場合がある
- 自分でやる場合は学習時間が必要
SEO対策は、成果が表れるまでに一定の時間を要するケースが多く、成果が出るまでに諦めてしまう事が多々あります。何事においてもそうですが、諦めず粘り強く続けることが大切です。また、自身で対策を行う場合はSEOについて調べて学習する時間が必要なため、ある程度の時間確保が必要になります。
士業のSEO対策で大切なこと
士業事務所サイトでSEOを行うことになった場合、キーワード選びが大切になってきます。
例えば、弁護士の場合は「新宿 弁護士」のような地域キーワードとの掛け合わせや「離婚 弁護士」のような特定の分野との掛け合わせキーワードで上位になるように対策し、顧客からの問い合わせが増えるようにしていきます。
しかし、感覚で何となくキーワードを選定してしまうと、難易度が高く順位が上がりづらいキーワードだったり、ほとんど検索されていない検索ボリュームが著しく低いキーワードなどの場合があります。
そのため、SEO対策を始めるには、まずキーワード戦略を立てることが重要です。
キーワード戦略では、集客に効果的なキーワードを見定めて、選定していくことがポイントとなります。つまり、「どんなキーワードで検索上位を狙うのか」が大切になるわけです。
SEOキーワード戦略
では、どのようにしてキーワード戦略を立てていけば良いのでしょうか?
具体的には、以下のように順序立てて、効果的なキーワードを見つけていくことが重要です。
- カスタマージャーニーから考える
- キーワードをリストアップする
- キーワードを選定する
それでは各STEPごとにキーワード抽出~選定の方法を見ていきましょう。
カスタマージャーニーから考える(STEP1)
キーワードを考える準備段階として、見込み顧客が事務所のホームページに問い合わせする際のカスタマージャーニーを作成します。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入するまでの道のりを可視化(マップ化)することです。通常、カスタマージャーニーマップは、様々なタッチポイントと施策を組み合わせて顧客を購買に導くフレームワークとして使用します。
キーワード戦略ではSEOに絞ったカスタマージャーニーを考えます。以下の図を使って、「情報収集」「興味関心」「比較検討」「購入検討」のプロセスでユーザーがどのような検索行動を取るのか書いていくと良いでしょう。それぞれの心理フェーズで、どうのような検索キーワードを検索し、どうのようなページを閲覧していくのかを考えていきます。
ユーザー行動とキーワードを可視化することで、ユーザーが問い合わせに至るまでに、どんなキーワードを検索してどのようなページを見るのかが分かります。それにより、具体的なタッチポイントや施策がイメージしやすくなります。
カスタマージャーニーを作成する上で、見込み顧客がどういう人なのかペルソナを策定するとキーワード考案に役立ちます。
例えば、税理士事務所の見込み顧客は、以下のような人物になります。
【税理士の見込み顧客】
顧問税理士を探している中小企業の社長、法人の経理担当者
見込み顧客を想定するとカスタマージャーニーマップを作成しやすくなります。
キーワードをリストアップする(STEP2)
先ほど説明したカスタマージャーニーマップを使って、今度はキーワードをリストアップしていきましょう。
キーワードをリストアップするにあたり、以下のような手順で進めると効率よくキーワード候補を抽出することができます。「情報収集」「興味関心」「比較検討」「購入検討」の段階でどのようなキーワードを検索するのかをイメージしていきます。
- カスタマージャーニーからキーワード案を考える
- キーワードツールを使ってキーワード候補を広げる
例えば、決算申告を税理士に依頼したいと考えてる中小企業の経営者であれば「決算 税理士」や「決算 費用 相場」などで検索するでしょう。
ユーザー行動からキーワード候補を出したら、次にキーワードツールを使ってキーワード候補を広げていきます。
先ほどサンプルで考えたキーワード「決算 税理士」や「決算 費用 相場」などを、キーワードツールと呼ばれるサービスに打ち込みます。
キーワードツールは、下記のようなサービスサイトで提供されています。
キーワードプランナーは無料ですが、それ以外は有料です。ただ、有益なキーワードを探すのであれば、有料ツールを使うのをおすすめします。
キーワードを選定する(STEP3)
キーワード候補リストが作成できたら、次はリストアップしたキーワードを選定していきます。選定するにあたり、以下の要素からキーワードを振り分けていきます。
・月間検索ボリューム
・難易度
・問い合せ確率(商談率)
まず大前提として月間の検索ボリュームが0のものは避けます。検索されないキーワードでは意味がありません。そのため、ある程度検索ボリュームのあるキーワードを選びましょう。
※ただし、検索数が少なくても成約率がとても高いキーワードがあれば対策を検討してみても良いでしょう。
検索ボリューム
検索ボリュームは、先ほど紹介したキーワードツールで調査することが可能です。キーワードの「月間検索回数」や「検索ボリューム」という項目で見ることができます。
難易度
また検索キーワードを選定するにあたってSEO難易度も重要です。難易度は競合サイトの強さなどから相対的に考えます。
先ほど紹介したUberSuggestではSEO難易度というスコアで難易度の高さを教えてくれます。難易度が高いほどSEOで上げづらいキーワードになります。難易度が高いキーワードを初心者が対策しても成果につながりづらいため、お勧めしません。
問い合わせ確率
問合せ確率は、そのキーワードから検索流入したユーザーが「どれくらい問い合わせしてくれそうか」の確率になります。いわゆるCVR(コンバージョンレート)に該当します。検索流入からのアクセスがいくら多くても、問い合わせに繋がらなければ意味がありませんので「対策するキーワードから問い合わせにつながるのか」という観点は非常に重要です。
では次に、士業のホームページでおすすめのSEO対策キーワードについてご紹介したいと思います。
士業におすすめのSEOキーワード
士業サイトのSEOキーワードを考えるにあたって、ヒントとなる”掛け合わせキーワード”の一例をご紹介します。
掛け合わせキーワードというのは、軸キーワードに対してユーザーが条件や目的を掛け合わせて検索するキーワードです。
例えば、「税理士 渋谷」というキーワードだと軸キーワードが「税理士」で掛け合わせキーワードが「渋谷」になります。「渋谷」はエリアを条件に絞り込んだ掛け合わせキーワードとなるためです。
士業のサイトだと、上記の渋谷のようなエリアをセグメントするキーワード以外に、以下のような専門分野を絞り込むための”専門分野キーワード”があります。
・エリアキーワード(例:渋谷、神保町など)
・専門分野キーワード(例:節税対策、遺産相続、労働問題など)
・相談キーワード(例:税理士 無料相談、労務 相談など)
こういった掛け合わせキーワードを組み合わせて検索キーワードを考えます。
キーワードを考えたらキーワード戦略のSTEP3で説明した検索ボリューム調査などを行い、狙い目のキーワードを選定していきます。
ちなみに、軸キーワードに対して掛け合わせキーワードをリスト化する際に、1語1語エクセルやスプレッドシートに入力していくのは非常に手間がかかります。そのため、下記のような”キーワード掛け合わせツール”を使うと便利です。
【キーワード掛け合わせツール】https://sem-cafe.jp/tools/keywords1
実は上記の「エリアキーワード」「専門分野キーワード」以外に、士業でおすすめのコンバージョンしやすいキーワード群があるのですが、それは弊社のクライアントに限定でご教授させて頂いておりますので、ここでは割愛させて頂きます。