低品質コンテンツとは?SEOへの悪影響と見分け方・改善法を徹底解説【2025年版】

2025.06.15

Webサイトの成果を最大化する上で、コンテンツの「質」は最も重要な要素の1つです。

特にGoogleの評価アルゴリズムが高度化・複雑化する現代のSEOにおいて、「低品質コンテンツ」は、サイト全体(ドメイン)の評価を著しく低下させる大きなリスクとなります。

本記事では、「低品質コンテンツとは何か」という基本的な内容から、低品質コンテンツの具体例、Googleの評価基準、低品質コンテンツの発見方法、そして改善策までを網羅的かつ専門的に解説します。

以下のような目的をもった方に、お役立てできる記事となっております。

  • 低品質コンテンツの本質的な意味がわかる
  • 診断フローチャートで、自分のサイトの問題ページを特定できる
  • 「リライト・統合・削除」の判断に迷わなくなる
  • AI時代に新たに生まれた低品質コンテンツの罠を回避できる
  • 評価されないコンテンツと評価されるコンテンツの違いが分かる

低品質コンテンツとは何か

低品質コンテンツとは、「ユーザーにとって何の価値もない、内容の薄い、あるいは誤った情報を含み、ユーザーに不利益を与える可能性のあるコンテンツ」を指します。検索意図を十分に満たさない、または検索エンジンの品質基準に適合しないコンテンツなどがそれに当たります。

低品質コンテンツは、以下のような特徴が挙げられます。

・ユーザーにとって価値のないコンテンツ

・独自性のないコピーコンテンツ

・信頼性の低い又は誤った情報のコンテンツ

・情報が古いコンテンツ

・検索エンジンを欺く過剰対策されたコンテンツ

Googleは、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することを使命としています。そのため、検索アルゴリズムや品質評価ガイドラインを通じて、このような低品質なコンテンツを検索結果から排除、または評価を下げる方針を明確にしています。

Googleが示す低品質コンテンツの具体例

Googleの「検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)」や「スパムに関するポリシー」では、低品質コンテンツの典型的な例が示されています。

以下にその内容と具体例を挙げさせて頂きます。

無断で複製されたコンテンツ

他のサイトのコンテンツを無断でコピーし、独自の価値を付加することなく掲載しているページ。

具体例:他サイトのニュース記事やブログ投稿の丸ごとコピー、一部を少しだけ書き換えただけのコンテンツ。

自動生成されたコンテンツ

プログラムによって自動的に生成された、意味をなさない、あるいは価値の低いテキストで構成されるページ。

具体例:マルコフ連鎖などで生成された文章、検索キーワードのみを詰め込んだ文章、類義語に置換しただけの文章など

内容の薄いアフィリエイトページ

商品紹介が主目的で、独自のレビューや比較情報、有用な付加価値がほとんどないアフィリエイトサイト。

具体例:メーカーサイトの商品説明をコピー&ペーストしただけの商品紹介ページ。

誘導ページ(Doorway Pages)

特定の検索クエリで上位表示されることだけを目的に作られた、中身のないページ。ユーザーを最終的な別ページに誘導する。

具体例:「地域名 × 特定キーワード」の組み合わせで大量に生成された、内容はほぼ同じで地名だけが異なるページ群。

不正確・信頼性の低い情報

科学的根拠のない健康情報や、誤った情報、詐欺的な内容を含むコンテンツ。特にYMYL領域で厳しく評価される。

具体例:「このサプリで癌が治る」といった医学的根拠のない主張、「専門家」を名乗りながら経歴が不明な人物による解説。

ユーザー体験を損なうページ

広告が過剰で本文が読みにくい、ポップアップが多すぎる、ページの読み込みが極端に遅いなど、UXを著しく損なうページ。

具体例:スクロールするたびに追従してくる全面広告、クリックを妨害するような位置に配置された広告。

コンテンツ品質の評価基準:E-E-A-Tの重要性

Googleがコンテンツの品質を評価する上で重視しているのが「E-E-A-T」という概念です。これは、高品質なコンテンツが持つべき4つの要素の頭文字を取ったものです。

  • Experience(経験): コンテンツのトピックについて、書き手が実体験に基づいているか。
  • Expertise(専門性): コンテンツのトピックについて、書き手が専門的な知識やスキルを持っているか。
  • Authoritativeness(権威性): コンテンツの作成者やWebサイトが、そのトピックにおける第一人者として社会的に認知されているか。
  • Trustworthiness(信頼性): コンテンツの情報が正確で、ユーザーが安心して信頼できるか。サイト運営者の情報が明確か。

低品質コンテンツは、このE-E-A-Tのいずれか、あるいは複数が著しく欠如しているケースがほとんどです。特に、個人の幸福や健康、経済的安定に影響を与える「YMYL(Your Money or Your Life)」の領域では、極めて高いレベルのE-E-A-Tが要求されます。

低品質コンテンツがもたらす検索順位への悪影響

低品質コンテンツを放置することによるデメリットは、単に「そのページの順位が上がらない」だけではありません。

以下のようにサイト全体のSEO評価に悪影響をもたらします。その結果、自サイトの重要なページの順位・評価を下げてしまうことにも繋がってしまいます。

  • サイト全体の評価下落: Googleの「ヘルプフル コンテンツ システム」は、サイト内に低品質なコンテンツ(Googleは「非推奨コンテンツ」と呼ぶ)が多いと判断した場合、サイト全体の評価を下げ、他の高品質なページの検索順位にも悪影響を及ぼす可能性があります。
  • クロールの非効率化: 価値の低いページにGooglebotのクロールリソースが割かれることで、本当に評価してほしい重要なページへのクロール頻度が低下する可能性があります。
  • 手動による対策(ペナルティ): Googleのポリシーに著しく違反している場合(例:悪質なスパム行為)、Googleの担当者から手動による対策を受け、インデックス削除や検索順位の大幅な下落といった厳しい措置が取られるリスクがあります。

自サイトの低品質コンテンツを発見・特定する方法

サイト内に潜む低品質コンテンツを発見するためには、ツールと目視による多角的なチェックが必要です。

まずツールから数値パフォーマンスの悪いページを洗い出し、そのリストから定性的に品質に問題がないかチェックするのが効率的です。

Step1: Google Search Consoleを使った調査

「検索パフォーマンス」レポートから抽出

クリック数や表示回数が極端に少ないページ、検索クエリの数が極端に少ないページは要注意です。また、順位が間欠的にしかついてないページも低品質コンテンツの可能性があります。
下図のようにクリックと表示回数が少なく、順位もほとんど付いていないページは低品質コンテンツの可能性が高いページです。

「インデックス作成」レポートから抽出

 「クロール済み – インデックス未登録」や「検出 – インデックス未登録」となっているページが多い場合、Googleがそのページをインデックスする価値がない(=低品質)と判断している可能性があります。

Step 2: Google Analyticsを使った調査

「ランディングページ」レポートから抽出

エンゲージメント率が低い

エンゲージメント率が低いということは直帰率が高いということです。そのページにアクセスしたユーザーが、ページに対して何らかの不満を抱いてすぐに離脱している可能性があります。

平均セッション時間が短い

コンテンツがほとんど読まれていない可能性があります。ユーザーが求めている検索意図に対して満足のいく情報を提供できていない、タイトルとコンテンツの内容が乖離しているなどの問題が考えられます。

アクセス数(セッション数)が著しく少ない

レポートのセッション数が著しく少ない、ほとんど閲覧されていない等のページはユーザーに対して有益なコンテンツを提供できていない低品質なコンテンツの可能性があります。

Step 3: 目視による定性的なチェック

上記のツールで洗い出したページを、以下の観点で実際に確認します。

①情報は正確か?

事実と異なる情報やユーザーに誤った判断をさせるような情報を掲載していないか?
根拠がないのに効果を謳うなどYMYLに反するような情報を発信していないかなどチェックしましょう。

②重複・類似コンテンツではないか?

他サイトや他ページと類似する内容ではないか、他サイトと比べて独自性と付加価値があるか?他の競合サイトにはない、独自の切り口、情報、データ、考察が含まれているか?などをチェックし、類似・重複するコンテンツになっていないかを確認します。

下記のようなコピーチェックツールを使うと、類似性が高いか否かを簡単に調べることができます。

【コピペチェックツール】

CopyContentDetector:https://ccd.cloud/

こぴらん:https://copyrun.net/

③検索意図と合致しているか?

ページのタイトルが、ページのコンテンツと乖離していないかターゲットとするキーワードの検索意図に答えられているかなどをチェックします。

低品質コンテンツへの具体的な対処法

低品質コンテンツを発見したら、その内容や工数、サイトへの影響度に応じて、以下のいずれかの改善方法で適切に対処する必要があります。

対処法概要対象となるコンテンツ注意点
リライト(加筆・修正)情報を最新化する。E-E-A-Tを高め、独自性のある内容を大幅に加筆・修正する最も基本的な対策。情報が古い、または網羅性が低い、独自性がないページ。しかし、トピック自体には価値があり、一定のアクセスが見込めるページ。単なるテキストの追記ではなく、構成から見直し、ユーザーの検索意図を満たすための全面的な改善が求められる。
コンテンツの統合(Consolidation)内容が重複している、または関連性が高い複数のページを、最も評価の高いURLに集約し、301リダイレクトを設定する。キーワードカニバリゼーションを起こしているページ群。内容が薄く、単体では評価されにくいが、まとめると価値が高まるページ群。どのURLに統合するか、リダイレクト設定を正しく行うことが重要。単なるコピー&ペーストではなく、統合してより質の高い1本のコンテンツに昇華させる。
削除(Delete)ページをサーバーから完全に削除し、404(Not Found)または410(Gone)ステータスを返す。サイトのテーマと関連性が全くない、情報価値がゼロ、かつ被リンクもほとんどないページ。削除後は、XMLサイトマップからも該当URLを削除する。安易な削除は被リンク資産を失うリスクもあるため慎重に判断する。
noindexの設定ページ自体は残しつつ、<meta name=”robots” content=”noindex”> を設定し、Googleのインデックスから除外する。サイト運営上必要だが、SEO的な評価は不要なページ(例:内容の薄いタグページ、検索結果ページ、ログイン後のマイページなど)。noindexはあくまでインデックス対象からの除外。低品質コンテンツの根本解決にはならないため、リライトや統合が不可能な場合の選択肢。

どの改善方法を選択すべきか?

基本的には「リライト > 統合 > noindex > 削除」の優先順位で検討します。時間やコストをかけてでも、価値のあるコンテンツに再生させることが最も理想的です。

当社でも、SEOコンサルティングの支援先メディアサイトで低品質コンテンツを抽出し、コンテンツを再生利用できるものは、なるべくリライトを行いサイト全体の評価をプラスになるようご支援しています。

まとめ:低品質コンテンツ対策は、未来への投資

低品質コンテンツへの対処は、単なるマイナスをゼロに戻す作業ではありません。自サイトのコンテンツと真摯に向き合い、ユーザーにとっての価値を問い直すことで、サイト全体の信頼性と専門性を高め、Googleからの評価を高めるための未来への投資です。

Googleのアルゴリズムは今後ますます「ユーザーにとって本当に役立つ、信頼できるコンテンツ」を優遇する方向に進化していきます。定期的なコンテンツ監査と改善のサイクルを確立し、高品質な情報資産を積み上げていくことこそが、持続的なSEO成功への唯一の道と言えるでしょう。