「SEO対策でサイトを上位化するにはどうすればいいのか?」
SEO対策を始めた方々の中には、このようなお悩みをお持ちの方がいらっしゃると思います。初心者ではなくとお、SEOに携わっているが、なかなか結果が出ないという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方々のために、この記事では「SEO対策」の基礎知識から、仕組みの理解、そこから優先すべき重要施策を解説し、皆様のサイトの順位向上に役立てればと思い、執筆しました。
私はSEOコンサルタントとして、これまで17年以上にわたり、数百以上のWebサイトを上位表示に導いてきました。
(著者:山本卓真:株式会社FunBox SEOコンサルタント)
この17年で、SEOの世界は劇的に変化しました。かつて通用した被リンクを大量に購入するような手法は淘汰され、Googleは一貫して「ユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツ」を評価するよう進化を続けています。
特に、AIが検索体験そのものを変えようとしている現在、SEO対策は新たな転換期を迎えています。
この記事では、私が20年間現場で培ってきた知見を注ぎ込み、「SEO対策」というキーワードで検索されるあらゆるユーザーの疑問に答えることを目指します。初心者の方には「SEOの全体像と具体的な手順」を、すでに運用されている方には「最新トレンドを踏まえた上で、次の一手をどう打つべきか」という問いへのヒントを提供する、網羅的かつ本質的なSEO対策のガイド記事になっています。
表面的なテクニックではなく、あなたのビジネスを成長させるための「本質的なSEO」をお届けします。
目次
SEO対策の基礎知識
SEO対策において最も重要なことは、「検索ユーザーの疑問や悩みを完璧に解決する、質の高いコンテンツを提供し続けること」です。テクニックやツールの活用も大切ですが、それらはあくまで手段に過ぎません。
Googleは、ユーザーにとって最も役立つ情報を上位に表示するため、検索エンジンを設計していると公式で述べており、ユーザーファーストであることが求められています。
Googleの検索エンジン(ランキングシステム)は、ユーザーに有用で信頼できる情報を届けることを目的に設計されています。
【参照URL】Google検索セントラル|有用で信頼性の高いコンテンツの作成
小手先の技術で順位を上げようとするのではなく、自社の専門性を活かし、読者に「この記事を読んでよかった」と心から思われるような価値提供を追求すること。これこそが、SEO成功への一番の近道となります。
SEO対策とは?
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。具体的には、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、特定のキーワードが検索された際に、自社のWebサイトをより上位に表示させるための一連の施策を指します。
SEO対策の目的は、検索結果からの自然なアクセス(オーガニックトラフィック)を増やし、集客や認知度向上、売上拡大につなげることにあります。
具体的な施策としては、ユーザーの検索意図に合致した高品質なコンテンツの作成、適切なキーワードの選定と配置、サイト構造やHTMLタグの最適化といった内部対策、そして他サイトからの被リンク獲得などの外部対策が挙げられます。
これらを総合的に実施することで、検索エンジンに評価されやすいサイトを構築し、長期的な集客効果を得ることができます。
SEO対策において最も重要なことは、「検索ユーザーの疑問や悩みを完璧に解決する、質の高いコンテンツを提供し続けること」です。テクニックやツールの活用も大切ですが、それらはあくまで手段に過ぎません。
Googleの検索エンジン(ランキングシステム)は、ユーザーに有用で信頼できる情報を届けることを目的に設計されています。
【参照URL】Google検索セントラル|有用で信頼性の高いコンテンツの作成
小手先の技術で順位を上げようとするのではなく、自社の専門性を活かし、読者に「この記事を読んでよかった」と心から思われるような価値提供を追求すること。それが、最終的にSEO成功への一番の近道となります。
SEO対策のメリットとデメリット
多くの企業が時間とコストをかけてSEO対策に取り組むのは、それに見合うだけの大きなメリットがあるからです。
しかし、その大きなメリットの裏には、必ず知っておくべきデメリットやリスクも存在します。メリットとデメリットの双方を正しく天秤にかけ、自社の体力や戦略に合っているかを冷静に判断することが、成功への第一歩となります。
SEO対策の5つの大きなメリット
1. 質の高い見込み客を継続的に集客できる(プル型マーケティング)
テレビCMやWeb広告(プッシュ型)とは異なり、SEOは自ら課題やニーズを感じて検索という行動を起こしたユーザー(プル型)にアプローチできます。そのため、コンバージョン(商品購入や問い合わせ)に繋がりやすい顕在層の見込み客を集めることが可能です。
2. 広告費をかけずに集客できる(ストック型資産)
リスティング広告やディスプレイ広告、動画広告などのWeb広告は、掲載している期間はアクセスが増えますが、掲載を止めれば広告からのアクセスはゼロになります。
一方、SEOで一度上位表示を達成したコンテンツは、広告費をかけずとも24時間365日、自動的に見込み客を集め続けてくれる「インターネット上の資産」となります。
3. ブランディング効果と信頼性の向上
特定の分野で常に検索上位に表示されることで、「この分野といえば、この会社・このサイト」という専門家としての認知が広がります。Googleという中立的なプラットフォームで高く評価されている事実は、ユーザーからの信頼獲得にも大きく貢献します。
4. 他のマーケティング施策との相乗効果
SEOで集めたユーザーに対して、SNSでのフォローを促したり、メルマガ登録に繋げたり、リターゲティング広告の対象にしたりと、様々なマーケティング施策の起点として活用できます。SEOはデジタルマーケティング全体のハブとなり得るポテンシャルを秘めています。
5. 客観的なデータに基づいた改善が可能
検索順位や流入数、ユーザーがサイト内でどのような行動をとったかといったデータを分析することで、感覚ではなく事実に基づいて改善のサイクル(PDCA)を回すことができます。これにより、マーケティング活動全体の精度を高めることができます。
検索順位や流入数は「Google Search Console」で確認ができます。
サイト内でのユーザー行動は「Google Analytics 4」で分析することが可能です。
SEO対策の5つのデメリットと注意点
1. 効果が出るまでに時間がかかる
SEO対策は、施策を開始してから効果が出るまで、一般的に3ヶ月〜半年、場合によっては1年以上かかることも珍しくありません。すぐに売上を立てたい、といった短期的な目標達成には不向きな側面があります。
2. 継続的な人的・時間的コストがかかる
広告費はかからないものの、キーワード調査、コンテンツ作成、テクニカルな改善、効果測定など、SEO対策には専門的な知識と継続的な工数が必要です。また、Googleのアルゴリズムは常にアップデートされるため、常に最新情報を学び続ける必要があります。「一度やったら終わり」ではないのです。
3. 正しい知識が必要
SEOには守るべきルール(Googleのガイドライン)があり、それを無視した古い手法や不正な手法(ブラックハットSEO)を行うと、ペナルティを受けて順位が大幅に下落したり、最悪の場合インデックスから削除されたりする危険性があります。
時間と労力を無駄にしないためにも、常に最新かつ正しい知識に基づいた施策が求められます。
4. アルゴリズム変動による順位下落リスク
自社サイトに何の問題がなくても、Googleが年に数回行う「コアアルゴリズムアップデート」によって、検索順位の評価基準が変わり、順位が大きく下落するリスクが常に存在します。
これは完全にコントロールすることができない外部要因であり、SEOだけに集客を依存することの危険性を示唆しています。
5. 必ず上位表示される保証はない(不確実性)
検索順位を最終的に決定するのはGoogleのアルゴリズムであり、私たちはそれを100%コントロールすることはできません。どれだけ質の高いコンテンツを作成し、万全の対策を施しても、強力な競合の存在やアルゴリズムとの相性によっては、必ずしも狙った順位が取れるとは限らないという不確実性が伴います。
検索順位が決まる仕組み【クローリング・インデックス・ランキング】
Googleは、以下の3つのステップを経て検索順位を決定しています。この仕組みを理解することが、SEOの第一歩です。
- クローリング(Crawling): 「クローラー」と呼ばれるロボットが、世界中のWebページを巡回し、情報を収集します。
- インデックス(Indexing): クローラーが収集した情報を、Googleの巨大なデータベースに整理・登録します。このデータベースに登録されて初めて、検索結果に表示される候補となります。
- ランキング(Ranking): ユーザーが検索したキーワードに対し、インデックスされた情報の中から、Google独自のアルゴリズムが最もユーザーの役に立つと判断した順にページを表示します。
Googleをはじめとした検索エンジンは、この「クローリング」「インデックス」「ランキング」の各プロセスを経て、検索順位付けを行います。
SEO対策は、これら一連のプロセスを理解し、このプロセスに則って自社サイトを最適化し、検索エンジンから高く評価されるように手助けする行為なのです。
SEO対策の具体的な全施策【優先度別ロードマップ】
SEO対策を行うにも、リソースは有限です。
成果を効率よく最大化するためには、インパクトの大きい施策に集中投下する「選択と集中」が何よりも重要となります。
ここでは、優先度を考慮してSEO施策を以下の2つのフェーズに分けました。
各フェーズごとの施策を一覧表と一緒にご説明します。
第1部:効果大!まず取り組むべき重要施策12選
これらからご紹介する施策は、検索エンジンから正当な評価をもらうための基礎構築です。これらが欠けていると、どれだけ良いコンテンツを作ってもその効果は半減してしまいます。
サイトの規模や業種に関わらず、まずは優先すべきこの重要な施策12選から着手することをおすすめします。
| 優先度 | カテゴリ | 施策名 |
| 高 | テクニカルSEO | 1. インデックス対象/対象外ページの最適化 |
| 高 | テクニカルSEO | 2. XMLサイトマップの作成とGoogle Search Consoleへの送信 |
| 高 | コンテンツSEO | 3. キーワード調査と検索意図の徹底分析 |
| 高 | コンテンツSEO | 4. 検索意図を満たす高品質コンテンツの作成(E-E-A-T準拠) |
| 高 | コンテンツSEO | 5. タイトルタグ(<title>)の最適化 |
| 高 | コンテンツSEO | 6. E-E-A-Tに準拠したサイト作り |
| 高 | テクニカルSEO | 7. サイトの常時HTTPS化 |
| 高 | テクニカルSEO | 8. モバイルフレンドリー対応 |
| 高 | テクニカルSEO | 9. サイトスピード(Core Web Vitals)の改善 |
| 高 | コンテンツSEO | 10. 適切な見出し(hタグ)構造の設計 |
| 高 | コンテンツSEO | 11. 画像やイラスト、図表など視覚的なコンテンツの追加 |
| 高 | ローカルSEO | 12. Googleビジネスプロフィールの最適化(※店舗ビジネスの場合) |
1. インデックス対象/対象外ページの最適化(最重要)
サイト内に低品質なページや重複した内容のページが多数存在すると、Googleからのサイト全体の評価が低下します(「クロールバジェット」の無駄遣いにも繋がります)。
「評価されるべきページ」だけをGoogleに正しく認識させることが、インデックス最適化において重要です。
具体的な施策
- noindexタグの活用: 検索結果に表示させる必要のないページ(例:内容の薄いタグページ、サンクスページ、社内向け情報ページなど)の<head>内に<meta name=”robots” content=”noindex”>を記述します。
- canonicalタグの活用: 内容が類似・重複しているページ(例:PC用とスマホ用でURLが異なる、パラメータ付きURLなど)がある場合、評価を統一したい正規のURLを<link rel=”canonical” href=”正規URL”>で指定します。
2. XMLサイトマップの作成とGoogle Search Consoleへの送信(最重要)
XMLサイトマップは、サイト内に存在するページのリストと最終更新日などを記した「サイトの地図」です。これをGoogleに渡すことで、クローラーがあなたのサイトの重要なページを漏れなく、かつ効率的に発見・巡回する手助けができます。
つまり、クローリング対策において基礎となる重要な施策です。
具体的な施策
- 専用ツールやWordPressのプラグイン(Yoast SEO, All in One SEO Packなど)を使ってsitemap.xmlファイルを生成。
- 生成したXMLサイトマップをサーバーにアップロードします。(Wordpressのプラグインで生成されたものは自動的にサーバーにアップされています)
- Google Search Consoleからサイトマップを登録・送信。
3. キーワード調査と検索意図の徹底分析
SEOの成功は、この工程で大半が決まると言っても過言ではありません。
キーワード調査とは、単に検索ボリューム(検索数)が多い単語を見つける作業だけではありません。そのキーワードを打ち込むユーザーが「何を求めているのか?」を、徹底的に掘り下げる分析作業です。つまり、検索意図を分析していくのです。
その語句で検索するユーザーの「真の目的(知りたい・買いたい・行きたい)」を分類・特定します。
ユーザーは「答え」が知りたいのか(情報収集型)、「商品」を買いたいのか(取引型)、それとも特定の場所へ行きたいのか(案内型)を考えて分析していくのです。
キーワードに潜む「ユーザーの意図」を正確に把握し、それに対する適切な回答(コンテンツ)を用意することこそが、Googleに評価されるための重要なポイントです。
この分析が甘ければ、どれだけ高品質な記事を書いても、ユーザーにとっては「的外れな回答」でしかありません。コンテンツ作成の土台となる、最も時間とリソースを割くべき施策です。
ユーザーが何を求めているかを理解せずにコンテンツを作っても、誰にも読まれません。ユーザーが使う「言葉(キーワード)」と、その言葉に隠された「目的(検索意図)」を深く理解することが、全てのコンテンツ施策の出発点です。
検索意図について詳しく知る:【検索意図とは?重要性、調べ方、コンテンツへの活かし方を徹底解説】
具体的な施策
- キーワードの洗い出し: Googleキーワードプランナー、ラッコキーワードなどのツールを使い、自社のビジネスに関連するキーワードを網羅的にリストアップします。
- 検索意図の分類: 検索結果の上位サイトを分析し、そのキーワードが「情報収集(Know)」「比較検討(Do)」「購入・取引(Buy・Do)」「特定サイトへのアクセスや訪問(Navigational・GO)」のどれに当たるか、どんな答えを求めているかを徹底的に分析します。
4. 検索意図を満たす高品質コンテンツの作成
Googleの検索アルゴリズムは、ユーザーが入力したキーワードに対して「何を知りたいのか」「どんな問題を解決したいのか」という検索意図を正確に読み取り、その答えを最も的確に提供しているページを上位に表示します。したがって、SEO対策において最も重要なのは、ユーザーが求めている情報を過不足なく提供し、疑問を完全に解消できるコンテンツを作成することです。
具体的には、ユーザーが検索窓に入力したキーワードの背景にある「本当に知りたいこと」を深く理解し、その答えを明確に示す必要があります。例えば「WordPress インストール方法」と検索するユーザーは、単に手順を知りたいだけでなく、初心者でもつまずかないような画像付きの解説や、インストール後の初期設定についても知りたいと考えている可能性が高いでしょう。このように、検索キーワードから一歩踏み込んで、ユーザーが次に抱くであろう疑問や関連する情報ニーズを先回りして提供することで、ユーザーは「このページを見れば全て解決する」という満足感を得られます。
さらに、情報の鮮度も重要です。古い情報や現在では通用しない方法を掲載していると、ユーザーの信頼を失うだけでなく、Googleからの評価も下がります。定期的に内容を見直し、最新の状況に合わせて更新し続けることで、常にユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供できます。
具体的な施策
- キーワード調査で分析した検索意図に基づき、ユーザーの疑問や悩みを解決する構成案を作成します。
- サイトの内容を定期的に見直し、最新の情報を提供するよう努める。
- 他のどのサイトよりも分かりやすく、具体的で、信頼できる情報を提供することを意識してライティングします。
5. E-E-A-Tに準拠したサイト作り
E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取ったもので、Googleがウェブページの品質を評価する際の重要な基準です。この基準に準拠したサイト作りを行うことで、検索エンジンからの評価が高まり、上位表示される可能性が大きく向上します。
まず「経験」については、実際に自分が体験したことや試したことに基づく情報を提供することが求められます。例えば商品レビューであれば、実際に使用した写真や具体的な使用感、メリットとデメリットの両方を正直に記載することで、読者に「この人は本当に使っているんだ」という信頼感を与えられます。
次に「専門性」は、そのテーマに関する深い知識や技術を持っていることを示す必要があります。表面的な情報だけでなく、専門用語の正確な説明や、業界の最新動向、実務で得た知見などを盛り込むことで、専門家としての立場を確立できます。
「権威性」については、その分野で認知されている存在であることが重要です。他の信頼できるサイトからリンクされていたり、メディアで紹介されていたり、著者のプロフィールや実績が明記されていることで、権威性が高まります。
そして最も重要な「信頼性」は、情報源を明示する、著者情報を詳しく記載する、プライバシーポリシーや運営者情報を明確にする、SSL化でセキュリティを確保するなど、ユーザーが安心して情報を受け取れる環境を整えることで構築されます。これらの要素を総合的に満たすことで、Googleだけでなくユーザーからも信頼されるサイトを作ることができます。
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を担保するため、一次情報(独自調査、実体験)、専門家による監修、公的データの引用などを盛り込みます。
- 運営者情報やユーザーが問い合わせできる連絡先情報、プライバシーポリシーなどを明示する
- SSL化、2段階認証、reCAPTCHAなどセキュリティ対策をしっかりと行い、ユーザーが安心して使える環境を構築する
※E-E-A-Tについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
【E-E-A-Tとは?SEO上位の鍵となるGoogleの品質評価ガイドライン】
6. タイトルタグ(<title>)の最適化
タイトルタグは、検索結果画面でユーザーが最初に目にする、最も重要な要素です。クリック率(CTR)に直接影響し、Googleがページの内容を理解する上で非常に重要なシグナルとなります。
具体的な施策
- 対策キーワードを、不自然にならない範囲で前半に含めます。
- ユーザーが「自分のための情報だ」と直感し、思わずクリックしたくなるような、具体的で魅力的な文言を考えます。
- 文字数は30字前後を目安にし、長すぎて途中で切れないようにします。
7. サイトの常時HTTPS化
HTTPSは、サイトとユーザー間の通信を暗号化する技術です。ユーザーのプライバシーとセキュリティを守ることはサイト運営者の責務であり、Googleもランキング要因の一つとして明言しています。もはや対応は必須です。
具体的な施策
- サーバーでSSL/TLS証明書を導入し、サイトの全ページをhttp://からhttps://にリダイレクト設定します。
8. モバイルフレンドリー対応
現在、検索トラフィックの多くはモバイルデバイスからのものです。Googleはモバイル版のページを基準に評価を行う「モバイルファーストインデックス」を完全に導入しているため、スマホで見やすく、操作しやすいサイトでなければ評価されません。
具体的な施策
- レスポンシブデザインを採用し、どのデバイスでも表示が最適化されるようにします。
- Googleの「モバイルフレンドリーテスト」ツールで、自サイトに問題がないか確認します。
9. 内部リンク構造の戦略的最適化
内部リンクは、ユーザーを関連性の高いページへ誘導し、サイト内での回遊性を高めます。SEOの観点では、サイト内で最も重要なページ(例:収益に直結するページ)に他のページからリンクを集めることで、そのページの評価をGoogleに伝え、順位を押し上げる効果があります。
具体的な施策
- 最も評価を高めたい「収益ページ」や「まとめ記事」を決めます。
- 関連する個別の記事から、その重要ページへ向けて文脈に合ったアンカーテキストでリンクを設置します。
10. 適切な見出し(hタグ)構造の設計
<h1>, <h2>, <h3>といった見出しタグは、ユーザーに文章の構造を分かりやすく伝え、読みやすさを向上させます。同時に、Googleがコンテンツのトピックや階層構造を理解するのを助ける重要な役割も担っています。
具体的な施策
- <h1>はページの大見出しとして1つだけ使用します。
- <h2>, <h3>…と、文章の論理構造に合わせて正しい階層で使用します。キーワードを詰め込みすぎず、そのセクションの内容を的確に表す見出しにします。
11. 視覚的なコンテンツの追加
テキストで生成されたコンテンツだけでは、ユーザーの満足度が得られない場合があります。イラストや写真などの画像やグラフ・図表などの体系化された情報、動画など視覚的に情報を伝えるコンテンツも追加し、ユーザーの理解や満足度の向上に努めましょう。
文字情報に対して、視覚情報は動画で5000倍、画像で7倍の情報伝達量があると言われています。ユーザーの関心を高め、UXが良くなれば検索エンジンからの評価も高まります。
具体的な施策
- 情報整理が必要なものは、グラフや表など用いて分かりやすくまとめる
- 画像やイラストが使った方が伝わりやすいものは、画像を使って説明する
- 要約説明、補足説明できるような動画コンテンツがあれば埋め込む 又は、Yutubeなどの動画URLへリンクする
12. Googleビジネスプロフィールの最適化(※店舗ビジネスの場合)
「渋谷 カフェ」のような地域名を含む検索(ローカル検索)において、Googleビジネスプロフィールの情報が検索結果の上位(マップパック)に表示されるため、店舗への集客に絶大な効果を発揮します。
具体的な施策
- 店舗情報(住所、電話番号、営業時間、ウェブサイトURLなど)を正確かつ最新の状態に保ちます。
- 質の高い口コミを積極的に集め、誠実に返信します。
- 写真や最新情報を定期的に投稿し、プロフィールをアクティブに保ちます。
第2部:【中長期的】競合と差をつけるための応用施策
上記の重要施策を完了し、サイトの土台が固まったら、次のステップとしてこれらの施策に取り組み、競合に対する優位性を確立していきます。
土台ができた上で、サイトの権威性や専門性をさらに高め、盤石な地位を築くための施策です。継続的な取り組みが、数年後の大きな差となって現れます。
| 優先度 | カテゴリ | 施策名 |
| 中 | テクニカルSEO | 1. 構造化データマークアップの実装 |
| 中 | テクニカルSEO | 2. 内部リンク構造の戦略的最適化 |
| 中 | コンテンツSEO | 3. 既存コンテンツの定期的なリライトと情報更新 |
| 中 | コンテンツSEO | 4. トピッククラスターモデルの構築 |
| 中 | 外部対策 | 5. 良質な被リンクの獲得戦略 |
| 低〜中 | 外部対策 | 6. サイテーションの構築とNAP情報の統一 |
| 低〜中 | テクニカルSEO | 7. クロールバジェットの最適化(※大規模サイト向け) |
| 低〜中 | ブランディング | 8. 指名検索を増やすためのブランド認知向上施策 |
1. 構造化データマークアップの実装
構造化データは、ページの内容が「何であるか」(例えば、レシピ、Q&A、商品情報、レビューなど)を検索エンジンに明確に伝えるためのコードです。正しく実装することで、検索結果に評価や価格、調理時間などが表示される「リッチリザルト」が適用され、クリック率の向上が期待できます。
具体的に何をすべきか?
- schema.orgで定義されたボキャブラリーを使い、JSON-LD形式でページ内容に応じたマークアップを記述します。
- Q&A、FAQ、パンくずリスト、商品情報、レビューなど、自サイトのコンテンツに合った構造化データを実装します。
2. サイトスピード(Core Web Vitals)の改善
ページの表示が遅いサイトは、ユーザー体験を著しく損ない、高い離脱率に繋がります。Googleはユーザー体験の指標としてCore Web Vitals(LCP, INP, CLS)をランキング要因に組み込んでおり、その重要性は年々増しています。
具体的に何をすべきか?
- 「Google PageSpeed Insights」でサイトの速度を計測し、問題点を把握します。
- 具体的な改善策として、「画像の圧縮・次世代フォーマット(WebP)への変換」「不要なJavaScript/CSSの削除・遅延読み込み」「高性能なサーバーへの移行」などを実施します。
3. 既存コンテンツの定期的なリライトと情報更新
一度公開した記事も、情報の陳腐化や新たな競合の出現によって順位が下がることがあります。定期的に内容を見直し、最新情報にアップデートしたり、不足している情報を追記したりすることで、コンテンツの鮮度と品質を保ち、長期的な上位表示に繋がります。
具体的に何をすべきか?
- Google Search Consoleで「検索順位は高いがクリック率が低い」「順位が下落傾向にある」といった記事を特定します。
- 最新情報への更新、E-E-A-Tの強化、図解や表の追加、タイトルの見直しなどを行い、コンテンツの価値を再向上させます。
4. トピッククラスターモデルの構築
特定のトピックに関連する記事群を内部リンクで網状に結びつける戦略です。中心となる「ピラーページ」(例:「SEO対策」)と、それに関連する詳細な「クラスターページ」(例:「被リンク 獲得方法」「タイトルタグ 最適化」)で構成することで、サイト全体の専門性をGoogleに示し、トピック全体の評価向上を狙います。
具体的に何をすべきか?
- 自社の専門分野における中心的なトピックを決定します。
- そのトピックを包括的に解説するピラーページと、各要素を深掘りする複数のクラスターページを作成し、相互にリンクで結びつけます。
5. 良質な被リンクの獲得戦略
質の高い外部サイトからのリンク(被リンク)は、Googleがサイトの権威性や信頼性を評価する上で依然として非常に強力なシグナルです。自作自演や購入による低品質なリンクはペナルティのリスクがありますが、自然に獲得した良質なリンクは順位を大きく押し上げます。
具体的に何をすべきか?
- リンクされる価値のあるコンテンツの作成: 独自の調査データ、専門的な解説記事、便利な無料ツールなど、他者が「参照・引用したい」と思えるような質の高いコンテンツを作成することが王道です。
- プレスリリースの配信: 新サービスや独自調査の結果などをプレスリリースとして配信し、ニュースサイトからの被リンクを狙います。
6. サイテーションの構築とNAP情報の統一
サイテーションとは、被リンクではない、企業名や店舗名、住所、電話番号(NAP情報)がネット上で言及されることです。特にローカルSEOにおいて、NAP情報が様々なサイトで一貫して言及されていることは、そのビジネスの実在性と信頼性を高めるシグナルとなります。
具体的に何をすべきか?
- 自社の公式サイト、Googleビジネスプロフィール、各種ポータルサイト、SNSなどで、NAP情報(特に名称、住所、電話番号の表記)を完全に統一します。
7. クロールバジェットの最適化(※大規模サイト向け)
数万~数百万ページを持つ大規模サイトでは、Googleのクローラーが全てのページを効率的に巡回できず、重要なページがなかなかインデックスされない問題が発生することがあります。クローラーの巡回を最適化し、重要なページに優先的に来てもらうための施策です。
具体的に何をすべきか?
- robots.txtで不要なディレクトリへのクロールをブロックする。
- 低品質ページの削除やnoindex設定を徹底し、クロールの無駄を省く。
- サーバーのログを解析し、クローラーの動きを監視・分析する。
8. 指名検索を増やすためのブランド認知向上施策
「(企業名やサイト名)で検索する」という指名検索の多さは、そのブランドがユーザーから認知され、信頼されている証拠です。直接的なランキング要因ではありませんが、Googleがサイトの権威性を評価する上での間接的なシグナルになると考えられています。
具体的に何をすべきか?
- SNSでの積極的な情報発信やユーザーとの交流。
- Web広告やPR活動によるブランド認知度の向上。
- SEO以外のチャネルも含めた、総合的なマーケティング活動を通じて、業界内での第一想起を目指します。
最新SEOの潮流とアルゴリズムの変容
SEOの世界は常に動いています。ここでは、特にここ数年で重要度を増している最新のトレンドと、Googleアルゴリズムの変容について解説します。これを知らずして、現代のSEOは語れません。
SGE(生成AI検索)の登場とSEOの未来
2024年以降、SEO業界で最も注目されているのがAI Overview(AIによる概要:旧SGE)です。これは、検索結果の上部にAIが生成した要約を表示する新しい検索体験です。
AI Overviewの登場により、ユーザーは複数のサイトを回遊しなくても、検索結果画面で答えを得られるケースが増えると考えられます。これにより、Google検索からのアクセスが減少するのではと危惧されており、実際にKnowクエリ中心の情報型メディアではアクセスの減少が見られるという声が聞こえます。
弊社のクライアントでも、一般用語などを調べるKnowクエリからのトラフィックが順位を変わらないのにCTRが下がり、流入数が減少しているという傾向が見られます。
そのため、「~とは」「意味」「仕組み」など、一般的な情報収集目的のキーワードは今後ますますトラフィックを落としていくと予想されます。
元々、これらのキーワードはアクセスは取れてもコンバージョンには結びつきづらいという難点があったため、注力キーワードから除外していく方が良いでしょう。
逆に、AI時代に求められるのは、より専門的で、独自性があり、信頼性の高い情報です。AIが参照元として選びたくなるような、質の高いコンテンツや深掘りした情報作りが不可欠となります。
E-E-A-T 新たに「Experience 経験」が加わった品質評価基準
E-A-T(専門性・権威性・信頼性)は、Googleがコンテンツの品質を評価するための重要な指針でした。2022年末、これに新たなE(Experience – 経験)が加わり、E-E-A-Tとなりました。
- Experience(経験): コンテンツの作成者が、そのトピックについて直接的な経験や実体験を持っているか。
- Expertise(専門性): コンテンツの作成者が、その分野における専門知識やスキルを持っているか。
- Authoritativeness(権威性): コンテンツの作成者やサイト自体が、その分野の権威として広く認知されているか。
- Trustworthiness(信頼性): サイトやコンテンツが、正確で信頼できる情報を提供しているか。
「Experience(経験)」は、例えば、「登山グッズ」記事であれば、実際にそのグッズを使って何度も登山をした人のレビューの方が、ただカタログスペックを並べただけの記事よりも高く評価されるということです。一次情報や実体験に基づいた、独自性の高いコンテンツの価値がますます高まっています。
ヘルプフルコンテンツシステムの重要性
Googleは「ユーザーの役に立つこと」を第一に考えています。その理念をアルゴリズムに組み込んだのが「ヘルプフルコンテンツシステム」です。
これは、「ユーザーをがっかりさせるような、検索流入のためだけに作られたコンテンツ」の評価を下げ、「訪問者が満足する体験を提供できるコンテンツ」を高く評価する仕組みです。
評価が下がるコンテンツの例
- 網羅性を謳いながら、中身が薄い
- AIで自動生成しただけの独自性のない文章
- ユーザーの疑問に直接答えていない
- 過度な広告でユーザー体験を損なっている
常に「このコンテンツは、本当にユーザーのためになっているか?」と自問自答する姿勢が求められます。
AI生成コンテンツとの正しい向き合い方
ChatGPTをはじめとする生成AIの進化は、コンテンツ制作の現場にも大きな影響を与えています。Googleは「AIを使ってコンテンツを作成すること自体はガイドライン違反ではない」と明言しています。
”「コンテンツの作成方法に関して言えば、AI を使用してコンテンツを作成することは、Google のガイドラインに違反するものではありません。」
「AI は、有用なオリジナルのコンテンツを作成するうえで役立ちます。」”
出典: Google の検索結果における AI 生成コンテンツに関するガイダンス
重要なのは、AIを使っているかどうかではなく、そのコンテンツがユーザーにとって有益かどうかです。
AIコンテンツ活用の注意点
- ファクトチェックは必須: AIは平然と誤った情報を生成することがあります。公開前に必ず専門家による事実確認を行いましょう。
- 独自性の付与: AIが生成した文章をそのまま使うのではなく、自身の経験や考察、独自のデータ、事例などを加えて「血の通ったコンテンツ」に昇華させることが不可欠です。
- E-E-A-Tの担保: AIは「経験」を持ちません。AIをツールとして活用しつつも、コンテンツの責任者はあくまで人間であり、E-E-A-Tを担保する必要があります。
SEO対策の始め方【5つのステップ】
何から手をつければいいか分からない、という方のために、SEO対策を始めるための具体的な手順を5つのステップで解説します。
Step1: 目的とKGI/KPIの設定
まず最初に、「何のためにSEO対策を行うのか」を明確にします。
- KGI(重要目標達成指標): 最終的なゴール。例:売上30%アップ、成約件数50件/月
- KPI(重要業績評価指標): KGI達成のための中間指標。例:オーガニック検索からの流入数10,000/月、特定キーワードでのTOP10表示、コンバージョン率2%
ここが曖昧だと、施策がブレてしまい、正しい効果測定と効果的な改善施策ができません。
Step2: サイトの現状分析
次に、自社サイトが今どのような状態にあるのかを客観的に把握します。
- テクニカル分析: Googleに正しく認識されているか?(前章のテクニカルSEO項目をチェック)
- コンテンツ分析: どのようなキーワードで流入があるか?順位は?ユーザーに読まれているページは?
- 競合分析: 上位表示されている競合サイトはどのようなコンテンツを持っているか?強みは何か?
この段階で、Google Search ConsoleとGoogle Analyticsは必ず導入しておきましょう。
Step3: キーワード調査と選定
ユーザーがどのような言葉で検索しているかを知り、対策すべきキーワードを選定します。
| キーワードの種類 | 特徴 | 例 |
| ビッグキーワード | 検索数が多く競合も強い | 「SEO対策」 |
| ミドルキーワード | 複数の単語の組み合わせ | 「SEO対策 やり方」 |
| ロングテールキーワード | さらに具体的で検索数は少ないがCVRが高い | 「SEO対策 費用 中小企業」 |
【キーワード選定のコツ】
- ユーザーの立場になる: 顧客が実際にどんな言葉で検索するか想像する。
- サジェストキーワードを活用する: Googleの検索窓に入れると表示される候補。
- ツールを活用する: Googleキーワードプランナー、Ubersuggestなどで関連キーワードや検索ボリュームを調べる。
事業のフェーズやサイトの規模に合わせて、まずは成果の出やすいロングテールキーワードから狙っていくのが定石です。
Step4: 対策の実行
選定したキーワードに基づき、具体的な施策を実行します。第2章で解説した優先度別のロードマップに沿って、まずは最優先施策から着手しましょう。
Step5: 効果測定と改善(PDCA)
施策は実行して終わりではありません。定期的に効果を測定し、改善を繰り返すことが成功の鍵です。
- Check(測定): 設定したKPI(検索順位、流入数、CVRなど)の数値を追う。
- Action(改善): 数値が伸び悩んでいる原因を分析し、改善策(リライト、内部リンクの追加など)を立案・実行する。
このPDCAサイクルを粘り強く回し続けることが、SEO対策の最も重要な部分と言っても過言ではありません。
SEO対策を構成する3つの要素
SEO対策は、大きく分けて「内部対策」「外部対策」「コンテンツSEO」という3つの柱で成り立っています。第2章で解説した個別の施策が、それぞれどの柱に属するのかを理解することで、よりバランスの取れた戦略を立てることができます。
内部施策 ― サイトの土台作り
内部対策とは、Webサイトの内部構造を最適化し、クローラーが情報を収集しやすく、かつ検索エンジンがコンテンツの内容を正しく理解できるようにするための施策です。第2章で解説したテクニカルSEOの施策(インデックス制御、サイトスピード改善、HTTPS化など)がこれに該当します。
外部対策 ― 第三者からの信頼獲得
外部対策とは、主に他のサイトから自サイトへのリンク(被リンクまたはバックリンク)を獲得するための施策です。
Googleは、質の高いサイトからの被リンクを「第三者による推薦・支持」とみなし、サイトの権威性や信頼性を評価する重要な指標としています。第2章の「良質な被リンクの獲得戦略」や「サイテーションの構築」がこれにあたります。
コンテンツ施策(コンテンツSEO)
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツを作成・発信し、継続的にサイトへ流入させることで、最終的なコンバージョンに繋げる一連のマーケティング手法です。
現代のSEOにおいて、とても重要な要素です。施策別のところでご説明した「キーワード調査」「高品質コンテンツの作成」「リライト」など、コンテンツに関わる全ての施策がこの柱に含まれます。
サイト種類別SEO対策のポイント
SEO対策は、サイトの種類や目的によってアプローチが異なります。ここでは代表的な4つのケースにおけるポイントを解説します。
オウンドメディアのSEO
企業のブログや情報サイト(メディア)など、コンテンツ発信が中心となるメディアのSEO対策は以下のポイントが重要です。
- トピッククラスターモデルを意識する: 「SEO対策」のような大きなテーマ(ピラーページ)と、「SEO対策 費用」「SEO対策 アルゴリズム」といった個別テーマ(クラスターページ)を内部リンクで繋ぎ、サイト全体の専門性を高める。
- 著者情報を明確にする: 誰がこの記事を書いたのか、監修したのかを明記し、E-E-A-Tを高める。
- コンバージョンへの導線を設計する: 記事を読んだユーザーに次に取ってほしい行動(資料請求、問い合わせ、メルマガ登録など)への導線を自然な形で設置する。
ECサイトのSEO
商品を販売するオンラインストアでは、クローリングへの配慮、商品ページやカテゴリページの作り込みなどが大切になってきます。以下、ECサイトのSEOにおけるポイントです。
- 大規模サイトのクロール最適化: 商品数が多くなると、クローラーが全てのページを巡回しきれない問題が起こりがち。パンくずリストの設置や、サイト構造の整理が重要。
- 商品ページ・カテゴリページの最適化: titleタグや説明文に商品名や型番、カテゴリ名などを適切に含める。
- ユーザーレビューやQ&Aコンテンツの活用: ユーザーが生成するコンテンツ(UGC)は、E-E-A-T(特にExperience)を高め、ロングテールキーワードでの流入にも貢献する。
ローカルSEO(MEO)
店舗を持つビジネス(飲食店、美容院、クリニックなど)にとってローカルSEOは不可欠な施策です。ローカルSEOにおける基本施策を以下にまとめましたのでご参考ください。
- Googleビジネスプロフィールの最適化: これがローカルSEOの核。店舗情報(住所、電話番号、営業時間など)を正確かつ最新に保ち、写真や投稿機能を積極的に活用する。
- 口コミ(レビュー)の獲得と返信: 質の高い口コミを増やすことが、上位表示に直結する。誠実な返信も重要。
- 地域名+キーワードを意識する: 「渋谷 カフェ」「世田谷区 歯医者」のように、サイト内のテキストやブログ記事で地域名を意識的に使用する。
データベース型サイトのSEO
データベース型サイトとは、不動産ポータル、求人サイト、レシピサイト、旅行比較サイトなど、大量のデータから構成され、ユーザーが検索や絞り込み機能を使って目的の情報を探すサイトなどを指します。
このタイプのサイトは、システムが自動でページを生成するため、特有のSEO課題が存在します。
特有の課題
- 大量のページとクロールバジェット: 何万、何百万というページが存在するため、Googleのクローラーが重要なページを巡回しきれない「クロールバジェット」の問題が起こりやすい。
- 重複・類似コンテンツ: 物件情報や求人情報など、似た内容のページが大量に生成され、評価が分散しやすい。
- 内容の薄いページ(Thin Content): 基本的なスペック情報しか掲載されていない、テキスト量の少ないページが生まれがち。
- 複雑なURLパラメータ: 絞り込み検索や並び替え機能によって、無数のパラメータ付きURLが生成され、インデックスの効率を著しく下げてしまう。
具体的な対策
- 徹底したインデックス制御: canonicalタグで正規URLを明示し、評価を統合します。また、絞り込み検索などで生成される価値の低いURLには<meta name=”robots” content=”noindex”>を設定し、検索結果に表示させないように制御することが最重要です。
- テンプレートのSEO最適化: 個別のページを一つずつ修正するのは現実的ではないため、ページの雛形となるテンプレート自体をSEOに強い設計します。タイトルタグやh1タグが、物件名や求人名といった重要な情報を含む形で自動生成されるようにします。また、店舗詳細や物件詳細などの情報を他社よりも精緻に、できれば独自情報を盛り込む形で生成するよう設計します。
- ユニークなコンテンツの付加価値: ユーザーによる口コミやレビュー機能、担当者からの一言コメントなど、各ページに独自の情報を付加できる仕組みを作り、内容の薄さを補強します。
- 構造化データの実装: 「求人情報(JobPosting)」、「不動産物件(RealEstateListing)」、「レシピ(Recipe)」といった、コンテンツに合わせた構造化データを実装することで、検索結果での表示をリッチにし、クリック率の向上を狙います。
SEO対策に必須の厳選ツール
SEO対策は、感覚ではなくデータに基づいて行うものです。ここでは、プロも愛用する必須ツールをご紹介します。
無料ツール
| ツール名 | URL | 説明 |
| Google Search Console | https://search.google.com/search-console | Google公式ツール。検索順位、クリック数、表示回数、インデックス状況、サイトの問題点などを把握できる、SEO担当者の必携ツール。 |
| Google Analytics | https://analytics.google.com | これも公式ツール。サイトに訪れたユーザーの属性、行動、流入経路などを詳細に分析できる。 |
| Googleキーワードプランナー | https://ads.google.com/ | 検索キーワードのボリュームや関連キーワードを調査できる。(※Google広告のアカウント内で提供される機能です) |
| Clarity(Microsoft) | https://clarity.microsoft.com | ヒートマップ機能で、ユーザーがページのどこを熟読し、どこで離脱しているかを視覚的に分析できる。 |
有料ツール
さらに高度な分析や競合調査を行いたい場合は、有料SEOツールの導入を検討しましょう。
| ツール名 | URL | 説明 |
| Ahrefs(エイチレフス) | https://ahrefs.com | 被リンク分析、キーワード調査、競合サイト分析など、非常に高機能で世界中のSEO専門家が利用している。 |
| Semrush(セムラッシュ) | https://www.semrush.com | Ahrefsと並ぶ高機能ツール。特に競合の広告出稿状況なども分析できるのが特徴。 |
| GRC | https://seopro.jp | 日本で開発された、日々の検索順位を自動でチェックできるツール。 |
AI検索対策(AIO・LLMO・GEO)も考慮する
検索エンジンの世界は大きな変革期を迎えています。GoogleのAI Overviews、ChatGPTの検索機能、Perplexityなどの登場により、従来のSEO対策だけでは不十分な時代になりました。これからは、次世代のSEO対策として注目される「AI検索最適化」が必要な時代が到来します。
※生成AI検索の対策は、以下のような呼び方があります。
- AIO(AI Optimization):AI最適化
- LLMO(Large Language Model Optimization):大規模言語モデル最適化
- GEO(Generative Engine Optimization):生成エンジン最適化
そこで、このセクションでは次世代の検索対策である「AI検索最適化」についてポイントを解説いたします。
以下のような点を考慮することで、生成AIにより貴社サイトや貴サイトのコンテンツが言及、採用されやすくなります。
- 正確で信頼性の高い情報の提供
- 論理的で構造化された文章構成
- 明確で簡潔な回答や説明
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の強化
- 信頼できる引用元としての評価獲得
- 構造化データでのマークアップ
- FAQ形式での情報提供
- 最新情報の提供
- 引用されやすい独自のデータや研究結果の掲載
- 専門家による執筆・監修
- 特定分野での深い洞察や分析
AI検索時代のSEO対策は、従来のキーワード最適化から、「AIに信頼され、引用される情報源になること」へとシフトしています。AIO、LLMO、GEOの概念を理解し、高品質で信頼性の高いコンテンツを提供することが、これからのSEO戦略の核心となります。
技術的な最適化は引き続き重要ですが、それ以上に「本当に価値のある情報を、わかりやすく、信頼できる形で提供する」という本質的な取り組みが求められています。
まとめ:SEO対策の成功は、ユーザーファーストから始まる
ここまで、SEO対策の基礎知識から具体的な施策のロードマップ、最新トレンドまでを網羅的に解説してきました。
情報量は多かったかもしれませんが、20年間この世界に身を置いて、私が確信していることは非常にシンプルです。
「SEO対策とは、ユーザーの課題を誰よりも深く理解し、その答えを最も誠実に、最も分かりやすく提供する活動である」
Googleは公式サイトに以下のようなミッションを掲げています。
Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです
【引用元】https://about.google/intl/ja_ALL/company-info/
Googleのアルゴリズムはこれからも変化し続けるでしょう。SGEのような新しい技術も次々と登場します。しかし、この「ユーザーファースト」という本質は、決して揺らぐことはありません。
小手先のテクニックを追いかけるのではなく、あなたの持つ専門性や経験を、ユーザーのために惜しみなく発信し続けること。それこそが、あらゆるアルゴリズムの変動を乗り越え、長期的に検索エンジンからもユーザーからも愛されるサイトを築く最善の方法です。
