ニッチキーワードの効果的な探し方と具体例を徹底解説

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Webサイトやブログで成果を出すためには、SEO対策が欠かせません。

しかし、「ダイエット」や「転職」といった検索ボリュームの大きいビッグキーワードで上位表示を勝ち取るのは、大手企業や専門サイトが存在する激戦区で戦うことになり、非常に困難です。

ビッグキーワードや一般的なキーワードでSEO対策を行うのは、多くの競合企業がひしめき合う競争の激しいレッドオーシャンの市場でライバルと争うことになります。

そこで重要になるのが、ニッチキーワード戦略です。ニッチキーワードは、検索ボリュームこそ少ないものの、競合が少なく、かつユーザーの検索意図が明確であるため、高いコンバージョン率が期待できます。

新規で立ち上げたばかりのサイトや大手とは資金・リソースともに差がある中小企業は、競争の少ない未開拓の市場「ブルーオーシャン」で戦うのが良策です。

この記事では、ニッチキーワードの探し方から、具体的な活用法、コンテンツ作成のポイントまで、網羅的かつ実践的に解説します。

ニッチキーワードとは?SEOで重要な3つの理由

ニッチキーワードとは、複数の単語を組み合わせた、検索ボリュームが少なく具体的な検索意図を持つキーワードのことです。「ロングテールキーワード」とも呼ばれます。

例えば、「転職」というビッグキーワードに対して、「30代 未経験 転職 体験談」や「Webデザイナー 転職 ポートフォリオ なし」などがニッチキーワードにあたります。

ニッチキーワードがSEOで重要視される理由は、主に3つのメリットがあるからです。

1. 競合が少ないため上位表示しやすい

最大のメリットは、競合の少なさです。前述の通り、ビッグキーワードは競合サイトがひしめく「レッドオーシャン」です。一方、ニッチキーワードの領域は、まだライバルが少ない、あるいは存在しない「ブルーオーシャン」である可能性が高くなります。

ビッグキーワードには多くの強力な競合サイトが存在しますが、ニッチキーワードを狙った専門的なコンテンツはまだ多くありません。そのため、質の高いコンテンツを作成すれば、比較的短期間で検索結果の上位に表示されやすくなります。

2. コンバージョン率(CVR)が高い

ニッチキーワードで検索するユーザーは、具体的な悩みや目的を持っています。例えば、「渋谷 ランチ 個室 安い」と検索する人は、単に「渋谷 ランチ」と検索する人よりも、より具体的な目的やニーズを持っており、お店を予約する可能性が高いでしょう。

このように、検索意図が明確であるため、ユーザーのニーズに的確に応えるコンテンツを提供できれば、商品購入やサービス申し込みといったコンバージョンに繋がりやすいのです。

3. 検索意図が明確で、質の高いコンテンツを作りやすい

ユーザーの検索意図が具体的であるため、コンテンツの方向性が定めやすくなります。「何に悩んでいて、どんな情報を求めているのか」が明確なので、ユーザーの心に響く、満足度の高いコンテンツを作成しやすいという利点があります。

ニッチキーワード戦略はこんな人・企業におすすめ!

ニッチキーワード戦略は、特に以下のような方々におすすめです。

個人事業主やアフィリエイター

難しいキーワードで大手メディアと同じ土俵で戦うのを避け、特定の分野・特定のニッチキーワードで専門性を発揮して収益化を目指せます。

中小企業やスタートアップ

ニッチキーワードは、リソースの限られた中小企業やスタートアップ企業にもおすすめです。広告費や人的リソースが限られていても、ターゲットを絞り込むことで効率的に見込み客を獲得できます。

専門性の高いニッチ商材を扱う企業

自社の専門分野に関連するニッチなキーワードでユーザーの悩みを解決することで、見込み客との信頼関係を築き、購入につなげることができます。

地域密着型のビジネス(店舗経営者など)

「地域名 × サービス名 × 特徴」といったキーワード(例:「横浜市 青葉区 パーソナルトレーニング 女性専用」)で対策することで、近隣の見込み客を効果的に集客できます。

【実践編】ニッチキーワードの具体的な探し方7選

それでは、実際にニッチキーワードを見つけるための具体的な方法を7つご紹介します。複数の方法を組み合わせることで、より効果的にキーワードを発掘できます。

1. サジェストキーワードから探す

サジェストキーワードは、キーワードを入れると、入力したキーワードの後ろに自動的に表示される検索候補です。「キーワード + 〇〇」の形で表示されます。このサジェストは、ニッチキーワードの宝庫です。

以下で、サジェストキーワードを調べるいくつかの方法をご紹介します。

Googleサジェスト

サジェストキーワードを調べる最も基本的な方法は、実際にGoogleなどの検索窓にキーワードを入力した際に表示される検索候補(キーワード)を目視で調べる方法です。

ラッコキーワード

Googleサジェストのキーワードを網羅的に取得できる無料ツールです。一括でダウンロードもでき、非常に便利です。

Google以外のサジェスト

Amazonや楽天(物販)、YouTube(動画)など、Google検索以外のプラットフォームのサジェストも参考になります。

2. 関連キーワードを深掘りする

検索結果ページの下部に表示される「関連する検索キーワード」も重要なヒントになります。

ユーザーが元々のキーワードに加えて、次に関心を持つ可能性のあるキーワードが示されています。ここから、さらにキーワードを深掘りしていくことができます。

3. Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトで「生の声」を探す

Yahoo!知恵袋や教えて!gooなどのQ&Aサイトには、ユーザーのリアルな悩みや疑問が溢れています。

例えば、「転職」というカテゴリで質問を検索すると、「上司との人間関係で悩んでいる」「未経験から異業種に挑戦したいが不安」といった具体的な悩みが投稿されています。

これらの「悩み」そのものが、非常に強力なニッチキーワードの種になります。

お悩み内容を分解して、以下のようにキーワード化していきます。

  • 上司 パワハラ 転職 相談
  • 30代 未経験 転職 不安

4. 「お悩み×解決策」の組み合わせで考える

ユーザーの検索行動は、多くの場合「悩みを解決したい」という動機に基づいています。
そこで、「悩み」や「願望」を表すキーワードと、それらを解決するためのキーワードを組み合わせてみましょう。

  • お悩み系:
    「〇〇 できない」「〇〇 不安」「〇〇 めんどくさい」
  • 解決策系:
    「〇〇 方法」「〇〇 コツ」「〇〇 おすすめ」「〇〇 簡単」

組み合わせたキーワード例】
「部屋の片付け できない 原因」
「プレゼン 不安 解消法」

5. ターゲット顧客になりきって検索する(ペルソナ設定)

あなたのサイトがターゲットとする顧客(ペルソナ)は、どのような言葉で検索するでしょうか?ペルソナの年齢、性別、職業、悩みなどを具体的に設定し、その人物になりきって検索キーワードを想像してみましょう。

ペルソナ例: 35歳、2児の母、時短勤務のワーキングマザー

想定キーワード: 「時短勤務 ママ スキルアップ 資格」「小学生 子供 留守番 ご飯 簡単」

6. 無料・有料のキーワードツールを使いこなす

キーワードの検索ボリュームや競合性を調べるには、専用のツールが役立ちます。

GoogleキーワードプランナーGoogle広告のアカウントがあれば無料で利用できます。おおよその検索ボリュームを把握するのに便利です。
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)無料でも利用範囲が広く、サジェストキーワードや関連キーワード、競合サイトの分析などが可能です。
Ahrefs(エイチレフス)有料ですが、非常に高機能な分析ツールです。競合サイトがどのようなキーワードで流入しているかを詳細に分析できます。

7. 競合サイトが獲得しているキーワードを分析する

すでに上位表示されている競合サイトが、どのようなキーワードでユーザーを集めているのかを分析するのも効果的です。

ツール(Ahrefsなど)を使えば、競合サイトの流入キーワードを調べることができます。その中から、自社でも戦えそうなニッチキーワードを見つけ出しましょう。

ニッチキーワードの具体例

テーマごとに、ビッグキーワードとミドルキーワード、ニッチキーワード(ロングテールキーワード)の具体例を見てみましょう。

テーマビッグキーワードミドルキーワードニッチキーワード(ロングテールキーワード)
転職転職転職 30代 エンジニア 転職・30代 未経験 事務職 転職
・Webデザイナー 転職 ポートフォリオ
・営業 ノルマ きつい 辞めたい
ダイエットダイエットダイエット 食事 ダイエット 運動・産後ダイエット 骨盤矯正 いつから
40代 男性 ダイエット 筋トレメニュー
糖質制限 ダイエット コンビニ おすすめ
東京 カフェ東京 カフェ渋谷 カフェ 新宿 カフェ おしゃれ・渋谷 カフェ 電源 Wi-Fi
下北沢 古民家カフェ 静か
銀座 カフェ スコーン

ニッチキーワードで成果を出すためのコンテンツ作成術

有望なニッチキーワードを見つけたら、次はそのキーワードでユーザーを満足させるコンテンツを作成するステップです。

検索意図を完璧に満たす記事構成

まず、そのキーワードで検索するユーザーが**「何を知りたいのか」「どんな問題を解決したいのか」**を徹底的に考え抜きます。検索結果の上位サイトを参考にしながら、ユーザーが求める情報を網羅し、かつ分かりやすく整理された記事構成を作成しましょう。

ユーザーの悩みに寄り添う「共感」と「解決策」

ニッチキーワードで検索するユーザーは、深い悩みを抱えていることが多いです。記事の導入部分で「〇〇なことでお悩みではありませんか?」と共感を示し、本文でその悩みを解決するための具体的で実践的な方法を提示することが重要です。

独自性・専門性を加える

競合サイトと同じような情報だけでは、ユーザーを満足させることはできません。あなた自身の経験談や独自の分析、専門家としての知見などを加えることで、コンテンツの価値は飛躍的に高まります。一次情報や具体的なデータを示すことも有効です。

まとめ

ニッチキーワードは、SEO戦略において強力な武器となります。検索ボリュームの大きさだけに惑わされず、ユーザー一人ひとりの具体的な悩みに寄り添う視点を持つことが重要です。

今回ご紹介した探し方を実践し、あなただけの「お宝キーワード」を見つけ出してください。そして、そのキーワードで検索するユーザーのために、価値あるコンテンツを提供し続ければ、ウェブサイトは着実に成長していくでしょう。まずは今日から、ツールの導入やQ&Aサイトのチェックなど、できることから始めてみましょう。